『悪の華道を行きましょう』は、最近ありがちな悪役ヒロイン転生モノに飽きてしまった人にオススメな作品です。
婚約者に裏切られた悪役ヒロインに転生した主人公。
しかも結婚式の最中に記憶が蘇って最悪かと思いきや、前世の彼女は『究極の枯れ専』で中年ハゲデブオヤジの相手と相思相愛ラブラブ悪役夫婦になるという、ちょっと変わったお話になります。
悪の華道を行きましょうのあらすじ
引用:悪の華道を行きましょう 漫画版
主人公のセレスティーヌは侯爵令嬢であり第一王子の婚約者でしたが、相手の王子は男爵令嬢であるヒロインと恋に落ちます。
将来の地位が危うくなってしまったセレスティーヌはヒロインを排除しようと目論みますが、嫌がらせはすぐに王子の耳へ入り婚約はあっさり解消となってしまいました。
しかもそれだけでは終わらず、王子の差し金で醜い中年男の宰相へ嫁ぐことになったセレスティーヌ。
そんな最悪な結婚式の最中、セレスティーヌの脳内に前世の記憶が蘇ってきたのです。
- この世界は前世で自分が乙女ゲームでプレイしていた世界そのもの
- 自分はそのゲームの悪役令嬢
全てを理解したセレスティーヌは野次馬たちがほくそ笑む式の中、宰相と『誓いの口づけ』を交わすため意を決して視線を上げます。
目の前には逆光を浴びた中年のハゲデブオヤジ。
「悪くないわ」
無意識に出てきた好意の感情に混乱するセレスティーヌ。
そう、なんといっても前世の彼女は根っからの枯れ専だったのです!
最悪だったはずの結婚式が、まさかの最高の結婚式に変わった瞬間でしたが、相手は黒い噂が絶えない宰相。
セレスティーヌは幸せな結婚生活を送ることができるのでしょうか。
悪の華道を行きましょうの登場人物
引用:悪の華道を行きましょう 漫画版
ここからは悪の華道を行きましょうの登場人物をご紹介します。
セレスティーヌ
- 名前:セレスティーヌ
- 立場:(悪役)侯爵令嬢で第一王子の婚約者だったが解消される
- 容姿:美しいがキツイとかケバケバしいと言われていた
- 人物紹介
侯爵令嬢で第一王子の婚約者でしたが、ヒロインである男爵令嬢をイビリ倒したせいで婚約破棄をされ、醜い宰相のもとへ無理矢理嫁がされます。
しかし結婚式の最中に枯れ専だった前世の記憶が戻った結果、以前は嫌悪しか抱かなかった宰相が素敵に見えてしまいときめいて大混乱。
結婚式後、どんどん前世の自分と同化していくセレスティーヌは、どんなに宰相から悪態をつかれようと自分の愛を伝えようと接していきます。
宰相
- 名前:非公開(セレスティーヌは「旦那様」と呼んでいる)
- 立場:宰相(国の真の実力者)
- 容姿:ハゲデブオヤジでガマガエルに似ている。
- 人物紹介
セレスティーヌの結婚相手で国の宰相を勤めている実力者。
しかし世間では黒い噂が絶えず容姿も醜いため、記憶が戻る前と直後のセレスティーヌは「下品ですけべな色ボケじじい」「ガマガエルにそっくりな見た目に嫌悪しか抱かない」と罵っているほど嫌っていた。
第一王子
- 名前:非公開
- 立場:第一王子
- 容姿:イケメン
- 人物紹介:国の第一王子で、セレスティーヌの元婚約者。
ヒロインである男爵令嬢に夢中になってしまい、嫌がらせをしたセレスティーヌに対し婚約を解消を叩きつけました。
その後、王子の差し金でセレスティーヌは宰相の元へ嫁がされることになります。
男爵令嬢
- 名前:非公開
- 立場:男爵令嬢(ヒロイン)
- 容姿:可愛らしい
- 人物紹介
男爵令嬢でゲームの中では正規ヒロイン。
第一王子と恋に落ちてしまったことでセレスティーヌから嫌がらせを受けますが、王子の力で難なく回避し、婚約解消になったセレスティーヌを苦しめようと目論みます。
悪の華道を行きましょうの本編ネタバレ
引用:悪の華道を行きましょう 漫画版
悪の華道を行きましょうの本編の感想をネタバレありでご紹介します。
結婚初夜の翌日
結婚初夜の翌日、ベッドの上で目覚めるセレスティーヌ。
すると徐々に前世の記憶がハッキリしてきたことに気がつきます。
- 前世の自分は父親を早くに亡くしていた。
- 年上の男性に憧れ恋愛対象としてみるようになっていた。
- 結論「枯れ専」
枯れ専の彼女は、横で涎を垂らしながら寝ている宰相ですらも可愛らしく見えてしまうのです。
思わず横で寝ている宰相の贅肉を弄んでしまうセレスティーヌなのでした。
相反するように冷たい宰相
セレスティーヌの悪戯に起きてしまう宰相。
すかさずセレスティーヌは寄り添い甘い言葉を囁きますが、宰相は相反する冷たい視線で言い放ちます。
「ふん、そう言っておけと侍女にでも言われたか?女はみんなそう言うのだ。まあ、若く美しければ心になど興味はないがな」普通ならばここまで蔑ろにされれば怒りが湧きますが、枯れ専に目覚めたセレスティーヌはめげません。
この日からセレスティーヌは、毎日宰相へ自分の愛を伝えようと試行錯誤。
一生懸命なセレスティーヌの気持ちが伝わってきているのか、徐々に宰相の表情も穏やかなものに変化していきます。
宰相の本音
ある日、二人で庭のベンチに座り日向ぼっこをしていると、小さい声を振り絞るように宰相が口を開きました。
「セレスはわしの事をどのように思っているのだろうか」恐る恐る聞いてくる宰相を不思議そうに眺めながら、セレスティーヌは矢継ぎ早に返事をします。
「息が臭いです。あと普段上品ぶってるくせにくしゃみの時唾を撒き散らすし、センスの無いオヤジギャグで周囲の人を凍えさせてるし、でも私はそんな所も」
「も、もうよい!!」
たまらずセレスティーヌの言葉を遮り崩れ落ちる宰相。
そのままポツリポツリと宰相の本音が溢れはじめ、
- 最初は王子に言われたとおり、セレスティーヌをイビリ倒してやろうと思っていた。
- 本当はセレスティーヌが可愛すぎて、年甲斐もなく恋をしている。
- いくらでも金は使うし、他に恋人を持ってもいいから、自分の元から去らないでほしい。
そんな事を言われるとは思いもしなかったセレスティーヌは驚くも、すぐに優しい笑みを浮かべて宰相に微笑みかけます。
「私は旦那様一筋ですわ。だからそのような寂しい事をおっしゃらないで」やっと本当の気持ちで通じ合った二人は、改めて永遠の愛を誓いました。
いよいよ反逆の時
引用:悪の華道を行きましょう 漫画版
幸せな夫婦となった二人は、しばらくして王国主催のパーティーに招かれます。
セレスティーヌはまるで別人のように妖艶な女性に変貌していて、行き交う男達は全員美しい彼女から目が離せません。
婚約を解消した第一王子までもがセレスティーヌを見て息を呑みます。
- 妻のドレス生地はソリィエ国にしか生息していない特殊な蚕から紡がれた布。
- このドレスは殿下(第一王子)が手に入れてくださった。
第一王子に向かって宰相がそう告げますが、当の王子は何が何だかわからない表情。
ちょうどその時、国王から会場の来賓へ向かって「第一王子はソリィエの女王陛下との結婚が決まった。13番目の夫となるべく明日国を発つ。盛大に送り出してやってほしい」と告げられます。
周りの来賓からは「ソリィエの女王って確か性に奔放で、性別も問わないって噂の」なんてヒソヒソ話が聞こえてくるから、さあ大変。
これには第一王子も男爵令嬢も大慌てで抗議しますが、国王の意思は固く「第一王子の第二夫人として男爵令嬢を一緒に連れてきても構わない。ソリィエでまとめて面倒を見ると申されている」と突き放した様子で一蹴されてしまいます。
そんな様子を冷ややかな視線で見ていたのが宰相。
セレスティーヌの幸せを心よく思っていなかった第一王子と男爵令嬢が失脚させようと暗躍していたのを知るや否や、宰相は裏で糸を引いて二人を返り討ちにしていたのでした。
そう、宰相の持つ権限は王族よりもはるか上、国の真の実力者ということになります。
とんでもない相手を敵に回してしまった第一王子はフラフラとセレスティーヌに助けを求めますが、セレスティーヌは満面の笑みで言い放ち、「ご成婚おめでとうございます」絶望の淵に立たされたかつての婚約者を尻目に、宰相に引き寄せられたセレスティーヌは幸せそうな表情で会場を後にするのでした。
悪の華道を行きましょうのまとめ
前世の記憶が戻ったことによって、究極の枯れ専となったセレスティーヌ。
本来最悪な結婚だったはずが最高の結婚になり、想いが通じ合った二人は幸せな夫婦生活を過ごします。
そんなセレスティーヌに心底惚れてしまった宰相が可愛らしく見えてしまうシーンもありますが、やはり最後では悪役らしいキャラクターが際立っていましたね。
この作品は読み切り作品なのでこれで終わってしまうのですが、実は大変好評だったため続編が発売されました。
- セレスティーヌと宰相はその後も幸せに暮らしているのでしょうか
- 新キャラクターが登場する可能性あり
今回新作が発表されたということは今後も続編が続く可能性があるでしょう。
ちょっと変わった悪役ヒロイン転生モノの世界が今後も見逃せません。