暗殺チームの良心がリゾットならば、メローネはあらゆる意味で放送コードと少年誌の限界に挑む変態です。様々なベクトルで濃いキャラだらけのジョジョにおいても、メローネを凌ぐ変態はそうそういません。
漫画でも十分にキモかった彼は、アニメにおいてさらなる変態へと進化を遂げました。動いて色ついて喋る変態、最高です。
そして、とても大事な事なので最初に言っておきます。キモい・変態は、メローネに対する最大の褒め言葉です。
暗殺チーム第四の刺客 メローネ
コードネーム:メローネ(メロン)
年齢:22~25(リゾット28歳、ブチャラティ20歳あたりからの比例推測)
スタンド:ベイビィ・フェイス
対戦:ジョルノ
戦果:黒星(蛇に舌を噛まれた)
声優:間島淳司
服装がキモい
スタイリッシュな露出狂といった趣です。暗殺する前に職質・通報されないか心配になりますね。
いっそリゾットと並んで堂々と歩いた方が、クオリティの高いコスプレイヤー、もしくは何かの撮影だと思われ騒ぎにならない……かもしれません。
あちこち無駄に露出しているくせに、覆面と手袋でピンポイントを隠しているのがより一層変態臭いです。こんな奇天烈な身なりのくせに、鎖骨と腰骨がたいへんセクシーなのが逆にイラっときませんか?
身内もドン引きするキモさ
原作にはないアニメオリジナルの暗殺チーム勢揃いエピソードにて、実行犯ホルマジオ他三名(メローネ・プロシュート・ペッシ)がレストランに集まるシーン。
メローネ、初登場にしていきなりの顔面アップ。顔立ちだけで言えば、プロシュート兄貴に並ぶ美形といっても差し支えない美人さんです。が、しかし――
登場直後にこの表情ですよ、皆さん。
自身のスタンド『ベビフェ』の『母体』として良さげな女性を見るや、ウットリとした顔で舌なめずり。
デイ・モールト・キモい!
(訳:最高だメローネもっとやれ!)
これにはマンモーニのペッシはもとより、ホルマジオやプロシュートすら『うわぁ』という表情をしていました。きっと日頃から変態クサイ言動でチームメイトをげんなりさせているのでしょう。
暗殺チームという様々な意味で普通じゃない面子にすらドン引きされるキモさ。これこそプロの変態の実力です。
スタンドが鬼畜キモい
メローネは本人そのものが最高にキモい(訳:最高にイケてる)のですが、そのスタンド能力も大概です。
まずターゲットの血液サンプルを入手し、『相応しい母親』を探します。今回は兄貴たちの事故現場からブチャラティの血液を採取。
母親として最適なのは、傲慢で意地が悪く攻撃的、酒・煙草・ドラッグを嗜む20代半ばの健康なクソビッチ。一般社会で『アカンやつ』とされるタイプの女性ほどベネ。
『良い母親』を見つけたら、有無を言わさずメローネが直接アプローチ。キモい視線で舐めるように女性を値踏みしながら、戸惑う相手に一方的にキモい質問を繰り出し、ワケもわからぬまま強制的に『受胎』させます。
『受胎』した女性は、ものの数分で無自覚の内に『ベビフェの息子』を出産。
『息子』は初期教育を『母親』から学習しながら急成長。
あるサイズまで育った『息子』は『母親』を最初の糧として食い殺し、メローネがノートPCからチャットで送る指示に従い仕事を行います。
つまり、メローネが『ベビフェ』で仕事をする際には、無関係の女性が最低一人は犠牲になるということです。
『母親』に選ばれる女性は、控え目に言って世間的な意味での善良さとはかけ離れたタイプでしょう。
しかし、だからといってある日いきなり変態に詰め寄られ、わけのわからないモノを産まされた挙げ句に分解されるのはあんまりです。
サイコっぷりがキモい
バラバラになったペッシとプロシュートの遺体を冷静に検分し、ギアッチョと電話でやり取りをするメローネ。
職業柄いちいち死体を見て騒いでいたらやっていけないのはわかりますが、目の前にあるのは敵でもターゲットでもない仲間の死体です。マンモーニのようなリアクションはしないにしても、もう少し何かあっても…と思わずにはいられません。
リゾット、プロシュート、ペッシが仲間意識を比較的強く持っているのに対し、メローネやイルーゾォはそうした感覚が薄いように思えます。
更に言うと、イルーゾォの薄さが『間抜けだからこーなるんだ。俺には関係ない(マンミラ最強)』的な強がりや優越感を伴っていそうなのに対し、メローネのそれは本当に何も感じていないといった印象を受けます。『母体』を道具として使い捨てるスタンドを発現させるだけあって、根本的に他者の生命に対する感覚が欠落しているのかもしれません。
プロシュートのように覚悟をもって躊躇わず人を殺すのともまた違う、覚悟すら必要とせず草をむしるように人を殺す人間の怖さ。メローネにはそういった気持ちの悪い怖さがあります。
ちなみに、ギアッチョは個人に対する想いではなく、自身の所属するチームとしての連帯感。ソルジェラは二人の世界の住人です。
人の話を1ミリも聞かないのがキモコワイ
プロシュートが大暴れした後の列車に乗り込んだメローネは、特別車両のコンパートメントに忍び込み、セレブと思しき傲慢な女性に詰め寄ります。
女性にしてみれば、列車が止まっただけでイライラしているというのに、いきなり絵に描いたような不審者が自分のコンパートメントに居座っているのだからたまったものではありません。
当然女性はメローネに対し『何者だ?何の用だ?出て行け!』と怒りの声をあげます。こうもあからさまな不審者を刺激するのはいかがなものかとも思われますが、腰を抜かすでもなく怒りを示すとはなかなかに気丈な女性です。
しかし、メローネは彼女の質問には一切答えません。それどころか、ファミリーネームを口にしようとした彼女に向かって『名前は必要ない』と遮るは、勝手に荷物をゴソゴソ漁るはとやりたい放題。
挙げ句ノートPCを見せながら――
『重要なのは君の好みだ。君はどれが好みなんだい?』『でもとても重要なことだと思うんだ。立派な子供を産むための始まりとしてはな』
と意味不明ながら恩着せがましい物言いで、好みのキスの仕方を尋ねます。当時連載していたのが『少年ジャンプ』でなく『ウルトラジャンプ』であれば、よりストレートに好みの体位を聞いていたことでしょう。実際メローネは『カーマスートラ 』というインドの体位集の名を口にしていますを。
一方的に女性を選定し、有無を言わさず『母親』にするくせに『スタイル』だけは選ばせる。
メローネなりの歪んだ『個の尊重』が素晴らしくキモいです。
表情がヤバキモイ
もはや言葉は必要ないようにも思えますが、元の造作が整っているだけに、端正な美貌が狂気に歪む様がヤバキモい!
これがギアッチョだとキレキレな顔芸感があるのですが、メローネだと変態サイコにしか見えません。
彼の名誉のために念を押しておきますが、造作そのものは兄貴に負けないくらいの美人さんです。
あくまで表情がアレなだけなんです。
性癖がキモい
余りに傍若無人なメローネの変態行為に、ブチ切れた女性の猛ビンタが炸裂。
女性の気持ち、めちゃくちゃわかります。誰だってこんな変態に好き勝手されたら手くらい出るでしょう。表面ではなく顎から顔面を捉える張り手に近いビンタお見事です。
しかし、スナップの効いたビンタをモロに顔面で受け止めながら、メローネは怯むどころか喜悦します。
『すごく…いい!いいビンタだ…こういう元気なビンタを繰り出せるなら間違いない。君の健康状態は―(ここで手を舐め)良好、と』
そう、彼にとって女性の価値は『良い母親役』たることのみ。故に、健康で気性が荒く暴力的な女性は大好物なのです。
スタンドによる強姦という鬼畜行為をなしながら、メローネ本人はドMが好むタイプの女性を欲することの矛盾。
頭の先から爪先までキモさの詰まった優良鯛焼きのような変態、最高です。
血液判定方法がキモい
ビンタしてきた女性の手をネロリ。目つき、舌の動き、全てがキモい!
『指の味から推定するに血液型はO型、だろ?』
(牡羊座A型ブチャラティと魚座O型女性の相性の悪さに大喜び)
いやいやいや、血液型って皮膚を舐めたらわかるものでしたっけ?
そういえば、ブチャラティもジョルノの頬を舐め汗の味で嘘発見器していましたが、ギャングの世界では他人の身体を舐めるのが普通なのでしょうか。オカッパの成人男性が1バスの中で中学生の頬をネットリ舐めるって、冷静に考えたら事案です。
猟奇的な教育熱心さがキモい
育てば恐ろしく強い『ベビフェ』は、しかし手間の掛かるスタンドです。いくつもの段階を丁寧に踏まねば、『良い息子』には育ちません。
そこでメローネは手間暇惜しまず、大きな絵本を見せながら『息子』を教育します。
『ライオンさん』や『キリンさん』の出てくるファンシーな絵本を『息子』に読み聞かせる彼は、その手間を厭うどころか随分と楽しそうでした。線の細い美貌も相まって、そうしたメローネの様子は優しい母親のようにも見えます。もしかしたら、彼は生まれたばかりの『息子』とのひと時を『優しい母親』になりきって過ごしているのかもしれません。
微笑を浮かべた優しい母親を演じながら、愛しの『使い捨て可愛い息子』に『殺意』を教え込む。
そんなイカれたシチュエーションを堪能する猟奇性もまた、メローネのキモい魅力です。
空気椅子が意味不明でキモい
その座り方は何?え、それ疲れないの?修行?修行なの?
思わずそう突っ込みたくなる、妙に安定感のあるオサレ空気椅子に座って端末を操作するメローネ。やはり出来の良い『息子』をこさえるには丈夫な足腰が大事ということでしょうか。
覆面をした露出狂が、野外で興奮気味に『デイ・モールト!』連呼しつつでスタイリッシュ空気椅子――通報していいですか?
ベビフェ息子の攻撃がエグキモい
優良な母体から生まれた凶悪『息子』の攻撃手段が、これまた極めて猟奇です。
人体を直方体のブロック状に分解し、別のモノに組み替える。
こうして言葉にするとどうということもなく思えてしまうのですが、人体の一部――例えば目とその周囲――が妙に綺麗なブロック状に切り出されている様を想像してみてください。まるで生体解剖で切り分けたサンプルのようではありませんか。
そして、当然切り出された残りの肉体には、目があった場所に四角い肉の穴が開くのです。リゾットの『メタリカ』に匹敵するエグさではないでしょうか?ここの描写は原作よりアニメの方がキツく感じました。
死に様が地味キモい
それぞれが凄絶な最期を遂げた暗殺チームの中で、メローネはもっとも呆気ない死を迎えました。
『ベビフェ』はメローネのスタンドであり、たとえ遠隔操作型であっても『スタンドのダメージ=本体のダメージ』のルールからは逃れられません。
しかし、『ベビフェ』は厳密に言えば遠隔操作型スタンドではなく、遠隔操作型スタンドを『母体』に孕ませるスタンドなのです。
つまり、ジョルノとバトルを繰り広げ燃やされた『息子』はスタンドでありながら受肉して実体を持つため、燃やされようがどうされようがメローネにダメージはありません。
『息子』が焼き殺されてもノーダメージであるメローネは、駅構内でギアッチョと通話しながら新たな『息子』を作るべく相応しい『母体』を物色していたところ、ジョルノのGエクスペリエンスが変化した蛇に舌を噛まれ死亡しました。
他のメンバーのように覚悟を決める間もなく、驚いた表情のまま死を迎える。
これもまた、暗殺者が迎える終わりの一つです。
スタンドに見られるメローネの人格
間違いなく暗殺チームの中で、というか歴代ジョジョキャラの中でもトップクラスの闇を精神に抱えているのではないでしょうか。
メローネのスタンド『ベビフェ』は、他のどんなスタンドと比べても明らかに異質――異形と言っても良いレベルです。
・『父親』=ターゲットの血液が必要
・生身の『母体』を要する
・まるで我が子のように育てねばならない
・受肉した実体を持つ
これらの特質は、極めて生々しい生殖行為を連想させます。そして『ベビフェの息子』は血液サンプル提供者=『父親』を殺すためだけに、ろくでもない女を『母親』として生まれ、やがては『母親』を食い殺すのです。
こうしたことから、『ベビフェの息子』とはメローネ自身の投影とは考えられないでしょうか?
例えば――問題のある母親から生まれ、父親を憎むよう殺意を植え付けられながら育ち、その殺意を心を病んだ母親に向け殺害。
全ての元凶である父親も、特に憎むでもなく『そうすべきだから』と殺害。
何かそういった、『母親』と『息子』間の確執があるように思えてなりません。
メローネがろくでもない女性を『良い母親』と称賛しながら道具として冷淡に扱うのは、彼が抱える『母』という存在に対する歪んだ感情の無意識的発露。
メローネが『息子』に対して優しい『母親』の如く振る舞うのは、彼が求めて得られなかった母からの愛を満たす代償行為。
結局のところ『息子』が『血液さえあれば何人でも作れる』代替可能な道具に過ぎぬのは、メローネの自己肯定感や自尊心の希薄さ。
些か妄想が過ぎましたが、『ベビフェ』が作り出すのが常に『息子』であることからも、メローネのスタンドは持ち主の内面世界――歪んだ自己愛・万能感・自己否定・反抗心・凶暴性を繰り返し再生産しているように見えます。
もし『息子』がミッションコンプリートして無事に戻ってきたら、メローネはどうするのでしょう……。
何となくですが、優しく微笑み褒め称えながら自ら始末するような気がしてなりません。そして、始末した『息子』のことは端末からデータを消去するように忘れ去り、また新たな母体を物色するのです。
まとめ
美人なのにキモい変態であるメローネ。しかし、彼は変態だからこそ光るキャラクターなのです。
考えてもみてください。メローネからキモさを取ったら何が残りますか?
ただの素晴らしく整った顔と、スラリと伸びやかな手足を持つスーパーモデルしか残りません。そして完全無欠の美貌モデル女王枠には既にプロシュートの兄貴がいるので、メローネの場所はないのです、残念!よって、これからもメローネにはジョジョ屈指のキモい変態として輝いていて欲しいものです。
ものすごくどーでもいい話を最後に一つ。
メローネ(メロン)の生ハム(プロシュート)乗せって、メチャクチャ美味しいと思います。
引用元https://entabe.jp/news/gourmet
それでは、メローネのちょっと残念な昇天顔を拝みながらお別れしましょう。