【進撃の巨人】フロックが嫌われているのは正論だけじゃない!悪魔を崇拝する心

第70話で初めて登場したフロックは、巨人の恐ろしさなど全く知らない駐屯兵団所属の104期生の一人でした。

調査兵団人員補填の為に出向してきたフロックは他の104期生同期に比べても戦闘に弱く、弱音をすぐに吐くタイプの兵士でしたが、物語が進むにつれて変貌していきます。

フロックは変貌し、兵団内でクーデターを起こしたり人を簡単に殺したりと過激な行動を嫌う読者も多かったようですが、時に正論を貫くフロックの言い分には賛否両論の意見もあり、一概に悪い人とは言えませんでした。

フロックが変貌したのは理由、決死の戦いから見出した目的は何なのかについて見ていきましょう。

フロック・フォルスターのプロフィール

まずはフロックのプロフィールや声優情報からご紹介します。

フロックの身長・体重・誕生日・性格

フロックがハンジに話しかけているシーン

引用画像:進撃の巨人

  • 名前:フロック・フォルスター
  • 身長:175cm
  • 体重:65kg
  • 誕生日:10月8日
  • 性格:臆病で周りに流されやすい

フロックの声優

小野賢章さんプロフィール画像

引用元:https://www.excite.co.jp/

進撃の巨人アニメ版フロックの声優さんは小野賢章さん。

ハリーポッターのハリー役でも有名な小野さんはその他にも沢山の声を担当されており、素晴らしい経歴の持ち主で、

  • 黒子のバスケ 主人公の黒子テツヤ役
  • 聲の形 長束友宏役
  • ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 ジョルノ・ジョバァーナ役

ストーリー上、様々な表情や感情を出し、後半で重要な役割を担う事もあるのでそれなりに経験を持った声優さんにしか担当できなかったのでしょう。

小野さんはフロック役に最高の適任者です。

フロックが嫌われても仕方がない思想の変化

死を目の前にして恐怖するフロック

引用画像:進撃の巨人より

フロックが獣の巨人の投石でただ一人生き残り、見出したものは「生きる事への執着」です。

ウォール・マリア奪還計画で調査兵団として初参戦したフロックに待っていたのは、巨人との初めての戦いにも関わらず勝機の全く見えない絶望の戦いで、最終の作戦で兵士全員は獣の巨人目掛けて突撃しますが、獣の巨人の投石で次々と死んでいきます。

偶然にも投石はフロックには当たらず乗っていた馬に当たり、落馬してしまい目を覚ました時には、死に絶えた仲間の中にフロック1人だけとなりリヴァイのみ傍らで巨人達と戦っていました。

自分が生きていた奇跡に困惑しながら生き残った仲間を探しに行きますが、フロックの生への執着から様々な事件を起こしていきます。

巨人を殲滅できる者は悪魔しかいない

エルヴィンを悪魔だと言うフロック

引用画像:進撃の巨人より

獣の巨人の戦いで生き残ったフロックは、巨人を倒しながら獣の巨人を追うリヴァイを見て「巨人は悪魔にしか倒せない」と言います。

その後偶然にも瀕死のエルヴィンを見つけ、仲間すべてを地獄に導いたエルヴィンに息の根を止めようとしますが、フロックはエルヴィンにはまだ地獄が必要であると考え、この最悪な悪魔は必ず巨人を絶滅させる事ができる、この悪魔と共に生きていく事が生き残った自分の使命であると感じるのでした。

この時、仲間が死んで落ち込んで座り込むだろうと思われていたフロックは、立ち上がり生きて悪魔を蘇らせる事に執着。

瀕死であるエルヴィンを悪魔的存在として扱ったフロックを嫌う読者も多数いるようですが、実はこの悪魔扱いとその後の行動がエルヴィンを復活させるか、アルミンを復活させるかの重大な決断に影響力を与えます。

リヴァイの攻撃により再巨人化すら不可能な状態に追い込まれた獣の巨人はベルトルトを残し、車力の巨人に協力してもらいライナーを連れて逃亡。

フロックはアルミンではなく団長のエルヴィンが生き残ることを望む

フロックは瀕死の状態にあったエルヴィンをリヴァイのもとへ運び、注射液での復活を懇願したのです。

フロックは新兵達を地獄に導いたエルヴィンは悪魔であり、巨人を滅ぼせる唯一の存在であることをリヴァイに告げますが、リヴァイはその言葉に驚き、その表情はまさに心の盲点を突かれたのような顔をしていました。

エルヴィン復活を決断したリヴァイは注射液をエルヴィンに打ち込もうとしますが、フロックの言葉が頭の中を過ぎり注射を躊躇います。

エルヴィンを悪魔にしてしまったのは、自分達兵団のであり、それを望んでいたのも事実である事を考えていたのでしょう。

特攻を決断したエルヴィンがリヴァイの前で最後に見せた「ありがとう」の表情に、安堵感と満足感を感じさせたのは自分自身の死ぬ場所を見つけられたからです。

一連の流れを知っているリヴァイはエルヴィンにはもうこれ以上の地獄は必要ないと判断し、エルヴィンに安らかな休息を与えることを決断しました。

フロック自身の思いはリヴァイには届きませんでしたが、フロックの発言が無ければエルヴィンは再び地獄に舞い戻ることになっていたでしょう。

フロックがうざく感じる正論

フロックがエルヴィンの事について説明しているシーン

引用元:進撃の巨人より

ウォール・マリア奪還に成功した調査兵団生還者は兵士達を弔う式と勲章授与式に参加したのですが、式の前に集まった仲間達にフロックは真実をありのままに伝え、仲間を傷つける行為をしてしまいます。

真実を伝える事こそが弱い人間を助けるために必要な事だと考えているフロックは、読者から「自分の思った事をそのまま発言するフロックはうざい奴だ」や「フロックは一般人の代弁者で正論を述べている」と思われており、意見も賛否両が分かれる結果になりました。

フロックはマルロに想いを寄せていたヒッチに対して、マルロは勇敢に戦ったが最後に戦場にいた事を後悔していたなど心無い言葉を投げたり、エレン達に「注射液を私物化し、合理的に欠ける判断をした」、アルミンには「団長でなく何故お前なんだ」など言いたい放題。

フロックは弱く情けない自分が生き残り、必死で生きる目的を探した結果が「エルヴィンという悪魔を蘇らせる事」だったのです。

それが叶わなかったフロックは、同じ恐怖が繰り返されてしまうという思いからエルヴィン復活させなかったすべての仲間をこの時恨んでいたのでしょう。

悪魔を信じることで生きることを見出そうとしていたフロックの心境が窺えるシーンでした。

レベリオ区襲撃時のフロック

エレンを指さしながらジャンに説明するシーン

引用画像:進撃の巨人

フロックはマーレのレベリオ区での戦いで民間人の建物を民間人ごと爆破するなど過激な行動を取ります。

この時にフロック嫌いになった人も多かったようで、既にこの時にはフロックも風貌も変わり、新生エルディア帝国復権派を少しづつ組織をしていました。

あの弱かったフロックがこのような大体な行動に出れた理由は、始祖の巨人の力を持つエレンが壁内人類以外の敵を排除できる悪魔であると崇拝し始めたからです。

フロックの過激な行動にやり過ぎだと言うジャンに対して「ここにいるのは敵と敵の住む建物だけだ」と悪気も無く全く動じない姿は、以前のフロックではありませんでした。

「俺達にはあの悪魔が必要だ」とエレンを見ながら言ったセリフには、エレンを崇拝しエルディア人だけが生き残る世界を見出そうとしていたのでしょう。

フロックが死に際で言い残したセリフ

フロックの死亡シーン

引用画像:進撃の巨人より

最後のフロックのセリフが「島のみんな殺される、俺達の‥悪魔‥それだけ‥希望」でした。

ここでも悪魔でしかエルディア人を守る事が出来ない、悪魔だけが俺達の希望の道であると伝えており、このセリフで分かる事はパラディ島にいる壁内人類を悪魔と共に守る使命を必死で全うしようとしたフロックの内心でしょう。

フロックはエレンと言う悪魔を崇拝する事で自分の弱さを隠しながら、リーダーのように振る舞ってきましたが、最後の姿はとても哀れでした。

フロックはアズマビト家の飛行艇完成を阻止する為、キヨミを拉致し飛行艇の技術者を殺していきますが、ハンジ達からキヨミと技術者の救出をかけた奇襲を受けます。

作戦が崩される毎にフロックは焦り、仲間に喚き散らしていましたが、フロックの特有の弱さが出ているように感じました。

フロックはガビに銃弾を受け死亡したかに思われましたが、飛行艇完成の場所で1人で反撃を開始するも、ミカサに殺されます

島に住むエルディア人を救いたいという思いは誰よりも強かったフロックでしたが、自分の思想を信じて進んで行く姿はエレンにもそっくりでした。

フロックが嫌われている理由のまとめ

  • 人間でなく悪魔のみが巨人を滅ぼすことができる
  • 悪魔と共に生き、パラディ島以外の人類を駆逐する
  • 壁内人類を守る

これらがフロックを大きく変えた思想です。

読者からは嫌われ者でしたが、奇跡的に生き延びた事で何かフロック自身が特別であるように感じ、思い描いた道をただひたすら進み続けたのでしょう。

生への執着心が強かったフロックですが、壁内人類を敵国から守る為にクーデターを起こしたり、人を殺したりと大胆な計画は、フロックの弱さを隠す為の物でもあったように感じます。

ケニー・アッカーマンが残したメッセージに「皆んな何かに酔っ払ってねぇとやってられなかったんだな、皆んな何かの奴隷だった」がありましたが、フロックもその1人だったのでしょう。