【メダリスト】狼嵜光のがっかりの意味とは?狼の表情を考察

score36で描かれた光の「あーあ がっかり」という言葉やまるで狼を連想させられるような圧迫感を纏って司に迫る姿に「怖い」と感じた読者は少なくないはずです。

本記事では、狼嵜光がいのりと司に抱いた感情、「がっかり」という言葉にはどんな意味が込められていたのか、その言葉の裏にある価値観と勝負の世界の厳しさについて考察していきます。

狼嵜光のプロフィール

本題に入る前に狼嵜光のプロフィールのおさらいをしていきましょう

メダリスト原作第8巻で演技を完走してポーズをとる狼嵜光

引用元:メダリスト

  • 名前:狼嵜光 (かみさきひかる)
  • 年齢:12歳
  • 血液型:O型
  • 身長:158cm
  • 誕生日:1月31日
  • 所属:名港ウィンドFSC
  • 性格:コミュニケーション能力が高く、心優しい性格
  • CV:市ノ瀬加那

(原作第9巻時点)

光はいのりのライバルとして描かれており、若いながらも完成度の高い演技を武器に数々の大会で結果を残している作中でも屈指の実力者です。

明るく余裕のある振る舞いが印象的である一方、勝負の世界に生きる者として、結果を最優先に考える非常にシビアな価値観を持っている人物でもあります。

狼嵜光が見せた牙を隠さない視線

ここからは実際に光と司の大会後の会話の内容や光のセリフの意味について考察していきましょう。

「がっかり」と口にしたscore36の大会

メダリスト原作第9巻で雨の中司のことを見下ろす狼嵜光

引用元:メダリスト

score36で描かれた大会において、いのりはこれまでの成長を感じさせる演技を披露し、「あなたには運命を変える力がある」という司の言葉通り、今回も技術面や表現面においても確かな前進が見られましたが、最終的な結果は表彰台落ちという厳しいものでした。

この結果を受けて、狼嵜光ははっきりと「がっかり」と口にしましたが、この言葉は一見すると、いのり本人に向けられた厳しい評価のようにも受け取れるものの、光が見ていたのはいのりの演技そのものだけでなく、そこに至るまでの判断や選択、そして彼女を導く立場にいる司の存在を含めてこの結果を捉えていたのです。

「勝てる試合だったのに」に込められた意味

狼嵜光の発言の根底には、「この試合はいのりが勝ちに行けた試合だった」という認識があって、演技の完成度や構成を踏まえれば、表彰台を狙える可能性は十分にあり、だからこそ結果に対する失望が生まれました。

光にとって理解できなかったのは、なぜ勝てる可能性があるにもかかわらず勝ちに行く選択をしなかったのかという点、その疑問は自然と、「司の判断によって、いのりは勝てる試合を落としたのではないか」という厳しい視線へとつながっていきます。

光の「司のせいで表彰台を落ちたのではないか」とも取れる言葉は、感情的な批判ではなく、勝負の世界における合理的な評価でした。

勝つための準備と選択がすべてである以上、その選択が結果に結びつかなかったのであれば、そこには明確な失敗があるというのが光の考え方だったのです。

犠牲を払わなかった結末

メダリスト原作第8巻で司のスマホを蹴り飛ばす狼嵜光

引用元:メダリスト

狼嵜光が口にした「いのりちゃんに犠牲を払わせないことはできたんですか?」「その結果が表彰台落ちなんですか?」という言葉は、彼女の価値観を象徴するとともに、原作第8巻のscore32のシーンの続きともとれるでしょう。

原作第8巻では、司と光が「勝利に必要なもの」について話す場面が描かれていて、その中で光は、夜鷹純が「勝利に一番必要なのは犠牲だ」と語っていたことを司に伝えます。

しかし司はそれに対して、犠牲だと思ったことは一度もなく、いのりにも犠牲を払わせるつもりはないと、はっきり言い切り、この時点では、二人の価値観の違いは静かに提示されるだけで、明確な衝突として描かれてはいません。

けれどこの会話は、score36での狼嵜光の「がっかり」という言葉によって、はっきりと意味を持つことになります。

光の視点に立てば、この試合はいのりが勝ちに行けた試合で、表彰台を狙える可能性があり、だからこそ、勝つための選択をしなかったように見えた点に強い違和感を覚えたのです。

もし今回の結果が、司の「犠牲を払わせない」という方針を貫いた末のものだったり、勝てる試合であえて勝ちを取りに行かなかったのだとしたら、それは光にとって、受け入れがたい結末でした。

光の「がっかり」には、「これが犠牲を払わなかった結果なのだとしたら、正直がっかりだ」「勝てる試合だったのに、なぜ勝ちを選ばなかったのか」という意味が強く込められていたと考えられます。

なぜ光の言葉に怖いと感じたのか

光の言葉が怖く感じられた最大の理由は、その視点があまりにも結果主義で、感情を一切挟まないものだったからであり、いのりがどれだけ努力してきたか、どれほどの思いでリンクに立っていたかといった要素は、光の判断基準には含まれていません。

あるのは、「勝てたか」「勝ちに行く選択をしたか」という一点のみであり、その基準で見たとき、この試合はいのり陣営の敗北で、だからこそ光は迷いなく失望を口にしました。

これまでの明るく余裕のある姿との落差も相まって、その冷静さと非情さが、狼のような怖さとして強く印象づけられたのです。

このシーンは、初めて出会った時にいのりに冷たく接していた岡崎いるかの態度とも重なるところもあり、プロの選手としての闘い方を知っている人達であるというようにも伺えます。

まとめ:score36で狼嵜光が突きつけた現実

score36で狼嵜光が示したのは、才能や努力だけでは立ち続けることのできない、トップを目指す世界が持つ厳しくも逃げ場のない現実でした。

メダリスト原作第9巻で雨の中泥だらけで司に迫る狼嵜光

引用元:メダリスト

勝てる可能性が少しでもあるのならば勝ちに行くべきであり、もし結果として勝てなかったのであれば、その敗因がどこにあって、誰がどの選択をした結果なのかという責任を、曖昧にせず明確にする必要があるという考え方です。

光の口から出た「がっかり」という言葉は、いのりを突き放したり、努力を否定したりするためのものではなく、この世界で戦い続ける覚悟が本当にあるのかを、真正面から問いかけるための言葉だったとも言えるでしょう。

その言葉が冷たく、あるいは狼のように怖く感じられたとしても、それは感情を排した結果主義の視点から導き出されたものであり、狼嵜光にとってはごく自然で、むしろ一貫した価値観に基づいた評価でした。

このシーンは、いのりと司がこれまでのやり方のままでは越えられない壁が存在すること、そして次の段階へ進むためには何を守り、何を選び、何を背負うのかを考えなければならないという現実を突きつけた、物語における重要な転換点だったのです。